【終了しました】インタビュー田原町 番外編「20年かけてビルを自力で建てた岡啓輔さんにきく」
ノンフィクションの書き手を招いて、取材の仕方、書き方についてきいてきた「インタビュー田原町」ですが、今回は番外編です。
セルフビルドで自宅を建てる。それも、鉄筋コンクリートで200年後にもしっかり残るビルを。
えっ!そんなこと出来るの?
『バベる! 自力でビルを建てる男』(筑摩書房)の著書もある岡啓輔さんは建築家にして鳶(とび)職、鉄筋工、型枠大工など現場で働いてきた経験をもつ。
決行後、あれやこれやと壁に遭遇、これはもしや永遠につくり続けているのではとも思われていたビルがこの度ようやく完成した。
ビルの名前は「蟻鱒鳶(ありますとんび)ル」
着工(2005)からじつに20年弱。
2018年の著書では、ひとびとが抱く、なぜ?の問にこたえている。わたし(インタビューする朝山実)もこの本を読んで、面白いひとがいるものだと建築中のビルを見学、「週刊朝日」にインタビュー記事を書かせてもらった。
当時「完成まであと二、三年」と聞いたけど、まあいろいろあったようでなかなか。
この後も、再開発計画のため完成したビルをそのまま10㍍ほど後方に移動させる「曳(ひ)き家」(クレーンとレールを使うらしい←岡さんではなく専門のプロたちがやる)という大きな工事が待ち受けているそうで、いまは岡さんも中に自由に入れないのだとか。
今年11月、ブルーシート(当初は足場とともに外から丸見えだったが、3年前から)で覆われていたビルがその姿を現した(ゴジラみたい言い方だが)。
地下一階、地上四階。それも都内の一等地、港区三田に建つ約40平方㍍(12坪)。もちろん新築ほやほやだけど、周りの景色から浮き立つ外観は継ぎ足し継ぎ足しを重ね、窓も全部気まぐれな変形をしていて、得体の知れないアジトのような出で立ち。
岡さんのこだわりのひとつは、コンクリート。通常のものと比べ水の配分が少ない。そのため固まるのも速く作業が難しいしコストもかかる。その分、200年はもつという。
逆に街中のビルが何であんなに建てては壊すのを繰り返すのか謎だったが、岡さんの説明を読んで、そういうことか。つくり手の考え方が建築にはあらわれるのだなあ。
そういえば、岡さんが履いているズボンも1本を自身で繕い繕いして着つづけているそうで。凸凹なビル同様、縫い糸のカラフルな一着もの。
若い頃に舞踏と出会い、いまも踊りもするし、にこやかな笑顔からヘエーだけど路上パフォーマンスで度々逮捕されたこともあったとか。
当初スコップで地面を掘り始めていたら、ひとり、またひとりとビルづくりに参加するひとたちが現れ(梁山泊というのかなあ、何だか不思議な居場所感がある)、建設の様子を伝える現在22号の『月刊蟻鱒鳶ル 売り鱒』なるZINEまで登場。
このたびビル完成を記念して、岡さんをゲストに『バベる!』本の刊行からの「その後」と岡啓輔さんの居場所(そもそもビルは夫婦で暮らす自宅として利用するはずだった)に対する考え方などについてききます。
※ビルは現在、曳き家までまた囲いで覆われています。撮影に行った日は平日ながらクルマを停めて眺めたりカメラをもった人がたくさんおられ、カメラを手にしていたこともありイッパイ「これはなんですか?」と聞かれました。
2024.12現在 撮影©️朝山実
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概 要
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日 時:2025年1月9日(木)18:30開場/19:00開演
当日、開演直前にzoomのURLをメールまたはPeatix DMにてお送りいたします。
1週間のアーカイブ配信あり。開催日の翌日以降、準備でき次第メールにてアーカイブ視聴URLをお送りします。
会 場:Readin’ Writin’ BOOK STORE(東京メトロ銀座線「田原町」徒歩2分)
参加費:
〇一般参加券 1,500円
〇リピーター参加券(インタビュー田原町に会場参加したことがあるひと) 1,200円
〇応援してやるぞ!!(カンパ込み)参加券 2,000円
〇オンライン配信券 1,500円
ご参加をご希望の方はhttps://readinwritin250109.peatix.com/viewよりお願いします。
※会場で開催し、オンラインでの同時配信を予定しています。ただし、状況により登壇者の移動に困難が生じた場合などは、延期、オンラインのみでの開催となる可能性もございます。あらかじめご了承ください。
ビル建設のZINE『月刊 蟻鱒鳶ル売り鱒』も当日会場でも販売します
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登壇者プロフィール
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岡啓輔(おか けいすけ)さん
1965年、福岡県生まれ。一級建築士。住宅メーカー勤務後、大工、鳶職、鉄筋工、型枠大工など現場経験を積む。
「蟻鱒鳶ル」のドローイングが建築界の登竜門といわれるSDレビューに入選(藤森照信特別賞)、2005年から東京・三田にRC造のビルをつくりはじめる。
ps.青柳拓監督による蟻鱒鳶ルのドキュメンタリー映画が撮られているそうだ。
岡と蟻鱒鳶ルを描いた漫画本に『セカイ、WORLD、世界』新井英樹(KADOKAWA)がある。
聞き手
朝山実(あさやま じつ)
1956年兵庫県生まれ。書店員などを経てフリーランスのライター&編集者。
著書に『父の戒名をつけてみました』(中央公論新社)、『アフター・ザ・レッド 連合赤軍兵士たちの40年』(角川書店)、『イッセー尾形の人生コーチング』(日経BP)など。編集本に『「私のはなし 部落のはなし」の話』(満若勇咲著・中央公論新社)、『きみが死んだあとで』(代島治彦著・晶文社)などがある。
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配信について
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オンライン配信は、ZOOMを利用しておこないます。
Zoomアプリをインストールしインターネットに接続したPC、スマホ、タブレットなどをご用意ください。
当日、開演前にPeatixのDMおよび、お申し込みの際にご入力いただいたメールアドレスへミーティングルームへの招待URL、パスワードなどをお送りしますので、そちらからご参加ください。
なお、機材トラブル等で開始時間が遅れることがございます。また配信が不可能な状態になった場合は、終了後に録画を共有する形で対応させていただきます。あらかじめご了承のうえお申し込みください。