ファクトチェック(事実関係の確認)に特化した校正教室「自分で確かめてみませんか ~その情報、正しい? まちがってる?~」

「徳川家康は、1543年に生まれ、江戸幕府を立ち上げた初代将軍です」
こんな文章が、本やウェブの記事にあったとします。
きっと、そうだよね、江戸幕府の初代将軍だよね、と思って読みますよね。
しかし、この文章には1か所、不確かなところがあります。
徳川家康の生まれ年は、定説では1543年ではなく1542年とされているのです。
揚げ足取りをするつもりではないのですが、こんなふうにきちんと文章に書かれてあると、私たちはついつい、それは「確かなこと」「本当のこと」なのだろうと思って読んでしまいがちです。
ところが、この「本当のこと」というのがなかなか食わせもので、徳川家康の生年のようにすぐに答えがわかりそうなことでも、じつは意外にそう簡単ではなかったりします。
「あれ? 私の見た辞書(またはサイト)では1543年生まれと書いてあるけど?」
そうなんです。確かめる資料によっては書いていることが違う、ということは、しばしばあります。
徳川家康の生まれ年が1年違っていたとしても、私たちの生活にさして影響を与えないかもしれませんが、もしこれが「医学」や「法律」に関することだったらどうでしょう?
さらに、すぐには真偽のわからないはずのことが、あたかも真実のように書かれていたとしたら?
そんな不確かな情報に振り回されないために、私たちはどうすればよいのでしょうか?
この教室では、「その情報が本当かどうか、事実関係を確かめる」ファクトチェックの基本的な方法や態度を実践的に学びます。
情報の真偽を教えるというよりも、どうすれば確かな情報にアプローチできるのかを知り、情報とのより良い付き合い方を身につけていこうというものです。
あふれる情報に、何をどう信じたらいいのかわからない──
確かな情報を見つけたいのに、どこからとりかかればいいのか──
迷ったり悩んだりしたことのある方は、ぜひご一緒に、ファクトチェックのスキルを基本から学びませんか。
「わからないことがあれば、他人まかせにしないで自分でも調べてみる」
という習慣とともに、情報を見きわめる力をつけていきましょう。
さて、冒頭の徳川家康の生年は1542年と43年、どちらが「正しい」のでしょうか。
詳しい解説は教室でするとしましょう。
みなさまのご参加をお待ちしています。
みんなの校正教室・大西寿男(校正者/ぼっと舎代表)
【こんな方に】
・ファクトチェックの方法を最初から学びたい
・仕事や個人で情報発信をしている
・自分で調べる力をつけたい
・あふれる情報の何を信じたらいいのかわからない
・言葉や文字に関心がある
・経験者の方の学び直しに
【内容】
・初回はガイダンスと、ファクトチェックの基本を学びます。
・第2回以降は、事前に示されたファクトチェックの課題に取り組み、当日、解答例をもとに、参加者みんなで一緒に検討します。
・課題はできるところまででかまいません。
・確認しやすいケースから、確認が難しいケースまで、さまざまな事例を扱います。
・ファクトチェックに役に立つ情報や、知っておきたい校正の基礎知識も解説します。
*今年4月~6月に「かえるの学校」(東京・大森)で開催した教室と同じ内容です。
【特色】
・初めての人でも、ファクトチェックの基本をわかりやすく、具体的に学べる。
・情報の正しさを自分で確かめる習慣が身につく。
・確かめきれず、途中までしかわからないケースから、ファクトチェックの難しさを知る。
・ほかの人の方法を知ることで、より良い調べ方の理解が深まる。

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概 要
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入門編 2025年夏クラス(7月~9月)
第1回:7月21日(祝・月)
第2回:8月23日(土)
第3回:9月20日(土)
*各回19:00~20:30(90分)全3回
会場:Readin’ Writin’ BOOK STORE(東京・田原町)
定員:20名(先着順)※オンライン配信はありません
受講料:9,000円(税込・全3回)
ご参加をご希望の方はhttps://readinwritin250721.peatix.com/よりお願いします。
持ち物
筆記用具、クリップボードなど配布資料の下に敷くもの(机がないため)
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登壇者プロフィール
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大西寿男(おおにし・としお)
校正者、一人出版社「ぼっと舎」代表。
1988年より、河出書房新社、集英社、岩波書店などで、主に文芸書・一般書の校正にたずさわりつつ、編集・DTP・手製本など自由な本づくりに取り組む。芥川賞受賞作『DTOPIA』(安堂ホセ)、『推し、燃ゆ』(宇佐見りん)なども担当。2023年1月放送のNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』が大きな反響を呼んだ。セミナーやトークイベントで、校正の技術のみならず心がまえを伝える。“ことばの寺子屋”「かえるの学校」共同主宰。
著書に『みんなの校正教室』『校正のこころ』(創元社)、『校正のレッスン』(出版メディアパル)、『セルフパブリッシングのための校正術』(日本独立作家同盟)、『かえるの校正入門』(かえるの学校)、『本づくりこれだけは』(共著、出版メディアパル)、『これからのメディアをつくる編集デザイン』(共著、フィルムアート社)など。