【終了しました】ルース・ベネディクト『レイシズム』刊行記念トークイベント どうやって「レイシズム」をなくすか、これからの前向きな運動のやり方について。
『菊と刀』は、太平洋戦争を有利にするため、そして戦後日本の占領政策を円滑にすすめるため、アメリカ政府が文化人類学者ルース・ベネディクトに書かせたものでした。
ここまではよく知られていることかもしれません。
しかし『菊と刀』とほとんど同時期、ベネディクトがもう一冊の著作を発表していることはあまり知られていないようです。
それが今回新しく訳出された『レイシズム』です。
この本には、どうして偏見や先入観が生まれるのか、どうして「国」や「民俗」が違うと対立してしまうのか、そしてレイシズムを解消するには何をすればいいか、戦争や大恐慌を目にしたルース・ベネディクトの丁寧な思索の跡が記されています。
今回のトークイベントでは、まず『レイシズム』翻訳者である阿部大樹(精神科医)さんが、翻訳を始めたきっかけ、そして精神科医療の視点からみた「ハーフ」の子供たちや、在日外国人がいま直面している課題について語ります。
また第二部として、一般社団法人ホワイトハンズの坂爪真吾さんから、「性の公共」を掲げて行政を巻き込みながら展開してきた性風俗従事者などを対象とした無料法律相談会の運営について伺います。
最後に、生活する上での困難を一つひとつ取り除いていくための、行政に対する働きかけや、インターネット上で活動することの意味や目的について考えます。
日 時:2020年7月25日(土)開場18:30/開演19:00
会 場:Readin’Writin’ BOOKSTORE(東京メトロ銀座線田原町駅徒歩2分)
参加費:1500円
ご参加をご希望の方は、お名前、連絡先を明記のうえ、readinwritin@gmail.comまでお願いします。
阿部大樹(あべ・だいじゅ) 1990年新潟生まれ。精神科医。2014年に新潟大学医学部卒業後、松沢病院を経て、現在は川崎市立多摩病院神経精神科長。訳書にH.S.サリヴァン著『精神病理学私記』(須貝秀平と共訳)
坂爪真吾(さかつめ・しんご) 1981年新潟生まれ。一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。東京大学文学部卒。 新しい「性の公共」をつくるという理念の下、重度身体障がい者に対する射精介助サービス、風俗店で働く女性の無料生活・法律相談事業「風テラス」などで現代の性問題の解決に取り組んでいる。2014年社会貢献者表彰。著書に『性風俗シングルマザー』『性風俗のいびつな現場』『セックスと障害者』『セックスと超高齢社会』『「身体を売る彼女たち」の事情』など。