2021年12月27日

【終了しました】「食を訳す/食を評す」『味の台湾』&『底にタッチするまでが私の時間』刊行記念トークイベント 川 浩二&木村衣有子

『味の台湾』(みすず書房)は、台湾の作家焦桐が10年以上に渡って執筆した食べものエッセイの集大成『味道福爾摩莎』から60篇を選んだ翻訳です。食べものの名を冠した各篇では、台湾のたどった歴史と著者自身の経験が語られ、風土記として、そして個人史としても読むことのできる一冊です。

いっぽう『底にタッチするまでが私の時間』(木村半次郎商店)は、新宿駅にあるビールとコーヒーの店ベルクで発行されているフリーペーパー『ベルク通信』の1号から150号までから選んだ記事をまとめたもので、独立独歩の名店として知られるベルクを支え続ける「言葉」がよりぬかれています。

今回のトークイベントでは、『味の台湾』の訳者である川浩二と、『底にタッチするまでが私の時間』の編者である木村衣有子が、「食を訳す/食を評す」と題して、食べもの本の翻訳/書評・執筆というそれぞれの主な活動について前半・後半で聞き手を交代しつつ進めていきます。

一見したところでは似ていない2冊ですが、書き手の文章を選び、並べ替えて読者にその「味」を届けようとしたことは共通しています。そしてそれぞれの文章がつづられた場所に、誰でもが行くことが容易ではなくなってしまっている今だからこそ形にしておかなくては、という切実さも。

食べものについて書くことは今やすべての人に開かれているように見えます。書籍や雑誌だけではなくさまざまな媒体で発信できることから、多くの人が食を書き、それを読んでいます。その中で、外国で、外国語によって書かれた食べものの本を訳すこと、すでに書かれた食べものの本を評することにどんな意味があるのか。

各々の一つ前の仕事である『中国くいしんぼう辞典』(みすず書房)、『しるもの時代 家庭料理の実践と書評』(木村半次郎商店)も副材料として加えながら、食を「読む」「書く」ことから「訳す」「評す」、そして編集し出版することまでも含めて料理していきます。

日 時:2022年1月29日(土)開場18:30/開演19:00(21:00終了予定)

会 場:Readin’Writin‘BOOKSTORE

参加費:1500円(会場、オンラインとも)

ご参加をご希望の方はhttps://readinwritin220129.peatix.com/viewよりお願いします。

川 浩二(かわ・こうじ) 文学者、翻訳家。1976年東京生まれ。専門は中国近世の文学・文化。訳書に崔岱遠『中国くいしんぼう辞典』(みすず書房)、焦桐『味の台湾』(みすず書房)など、共同監訳として『中国演劇史図鑑』(国書刊行会)がある。ここ数年はかっぱ橋道具街近くに住み、中国・台湾の食文化について考え中。

Twitter @chuanweikoji

木村衣有子(きむら・ゆうこ) 文筆家。主な守備範囲は食文化と書評。1975年栃木県生まれ。1994~2001年は京都、2002年より東京に住む。2021年末より東京と秋田を行き来する暮らし。主な著書に『もの食う本』『味見したい本』(ちくま文庫オリジナル)、『銀座ウエストのひみつ』(京阪神エルマガジン社)などがある。リトルプレス『しるもの時代』『底にタッチするまでが私の時間』(木村半次郎商店)より発売中。
Twitter @yukokimura1002
Instagram @hanjiro1002

川 浩二さんのお薦め

『浮生六記』(沈復著、松枝茂夫訳、岩波文庫)

『中華飲酒詩選』(青木正児、東洋文庫)

『安閑園の食卓 私の台南物語』(辛永清、集英社文庫)

『世界屠畜紀行』(内沢旬子、角川文庫)

『きょうの肴なに食べよう?』(クォン・ヨソン著、丁海玉訳、角川書店)

木村衣有子さんのお薦め

『外食2.0』(君島佐和子、朝日出版社)

『私的読食録』(堀江敏幸、角田光代、新潮文庫)

『自炊力』(白央篤司、光文社新書)

『「家庭料理」という戦場』(久保明教、コトニ社)

『貧乏サヴァラン』(森茉莉、ちくま文庫)



2021.12.27. | Posted in news